一枚の写真から


 一枚の写真が、色あせた古い一冊のアルバムからポロリと落ちてきた。小太りの身体にはちょっと窮屈そうなダブルの上着だろうか。右手に帽子、左手に上履き入れを持つ。
 ちょっぴり緊張気味の面持ちの児童こそ、半世紀前の我が姿なのだ。

  なんと愛らしいのだろう。
どう見ても、凛々しく賢そうな天才児童には・・・、
いやいやどう見ても、その姿は素朴でなんと愛らしいのだろう。
 純そのもので、思いっきり抱きしめてやりたい程に可愛いくて、限りなくいとおしい。

  親が小学校入学記念にと、町の写真屋さんに連れて行って、撮ってくれたのであろう。
  当時、そう楽ではなかったはずの暮しの中で、この一枚の写真はぜい沢な写真なのかもしれない。

 でもこの写真、よくよく見ると、窮屈気味で、どっかぎこちない。
緊張気味でどっか世渡り下手の感も受ける。
 しかし、それこそが、この児童の、これからの人生を物語ってもいる。
 何をかいわんや、ぎこちなく、世渡り下手こそ、わが人生、わが生き方でもあるのだ。
 
 この一枚の古い写真との出逢いをきっかけに、わが半生を、そしてこれからの希望とを、拙い文章ながら、思いつくままに覚え書きとして、したためてみた。
    
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