新聞あのね96号  2007年(平成19年)1月発行


   1.新聞配達と野球指導に生きがい 
      浪江良昭さんにみるプロダクティヴ エイジング  

                              
   2.凍てつく道 燃える使命感   
      晴れわたる日も風雪の日も朝刊夕刊配達


   3.『小学校の思い出』 I
         札幌森林公園駅前郵便局
           局長 川 筋 英 次

 
   4.厚別区も人口減に突入か
       厚別北、同西、同東の条丁目ごと人口動向


   5.
サン自治会の運営に支障も
       雇用促進住宅桜台宿舎 空き室35%に拡大


   6.“新年会くらいゆっくりしたいね”
        次々登場するお偉い方の挨拶に辟易


   7.プロダクティヴ・エイジングって何


 
    ★・・・新聞配達と野球指導に生きがい・・★
          浪江良昭さんにみるプロダクティヴ エイジング    
 
 「新聞配達、いいねぇ、やってやろうじゃないか。子ども野球、よ〜し、教えてやろうじゃないの。俺は、ねぇ、何にもしないで時を費やすなんて嫌いなんだ。動けるうちは動く、それが俺の生き方だ」と語るのは厚別西3条2丁目に住む浪江良昭さん(68才)だ。彼の生き方から加齢者が内包する社会的生産性とは何なのかを探る。
 
      

少子高齢化が叫ばれるほど、病弱者の増大、医療介護費の急増といった社会的コストが重くのしかかる、そんな暗いイメージばかりが強調されている。 果たして、本当にそうだろうか。
 森林公園町内会の大島利信会長に言わせると「きょうび70才と言っても、昔の50才前後のお年寄りとおんなじ。80才でもまだまだ昔の50代半ば。いまどきのお年よりは加齢年数の7掛けが実年齢だね。体力も気持ちも昔の人よりも3割は若いんだ」。 
 つまり今のお年寄りは昔のお年寄りに比べて、総じて元気で健康的でたくましい。そしてさらにそこには計り知れないほどの社会的生産性も内包しているというのだ。

 新しいニュースを求める読者に新聞を届け、上手になりたいとする子供達に野球指導する浪江さんにその実例を見たのだ。
 待つ人に届けることの喜び、上手になりたいと頑張る野球少年達への指導の喜び、これは浪江さん一人の喜びではない。そこに社会的な何かを生み出している。

 昭和14年1月26日、樺太で生まれた浪江さん、身長160cm、体重58`、そう大きな身体ではないが、心の内に秘めたる強さを感じさせる。
 「22年に引揚者として佐呂間町に住んでいたけど、湧網線計呂地駅長をしていた父が39才で列車事故で亡くなり、それ以来長男夫婦に育てられ、兄弟以上の恩を感じてる」と、決して楽ではなかった暮らしの中で、弟妹想いの兄の責任感使命感には頭が下が。さらに長男からは生きて上での大切なものも学んだらしい。まもなく68歳を迎えるが、健康でこれまで生きてこられたのは兄夫婦のお陰と感謝の弁を何度も強く語る。
 建材メーカーに長年勤めていた頃から少年野球との関わりを持つようになり、厚別アトムズの野球コーチを26年間も引き受けることになる。


    ☆・・・凍てつく道 燃える使命感 ・・・☆
    
      晴れわたる日も風雪の日も
                     朝刊夕刊配達


 
 「湧別高校で本腰入れてやってたので、その時の経験が役に立つならと言うことで引き受けた。初めてバットとボールを握った小さな子どもが一所懸命に努力して少しづつ上手になる姿を見ていると、その喜びにすっかりはまってしまった」。

         

 子供でも大人でも頑張ってる人が好きらしく、“努力”が座右の銘とも。
 浪江さん、夜は9時には床に就く。翌朝3時半の起床が待ってるからだ。4時には朝刊を受け取り厚別西地区120軒を配達している。冬も夏も自転車での配布だが、陽が昇らない冬の凍てつく道では何度も転倒する。
 「63才で会社勤めを辞め、それから新聞配達をやり始めた。だいぶ慣れてはきたけど、やはり冬場の凍った道はやはり怖いね」
 しかし、冬道での緊迫感がそのまま身体的生活能力の向上につながり、。社会の今を知りたい読者が浪江さんの配達を待ってる、その使命感が自分をしゃきっとさせる、とも。
 そして夕方3時半から朝とは別の地区80軒に夕刊を配る。配達忘れを防ぐため朝夕刊別地区担当制は配達人には理に適ったやり方らしい。
  「私は新聞が大好きなんです。これといった記事は必ず保存しておきます。昭和29年の洞爺丸遭難の新聞は私の宝です。だから我が家は宝の山で一杯です。そんな宝物を配達している自分を誇りに思うんです」と配達員の使命をしっかりつかんでいる。毎日の繰り返し行為が、社会的生産性を生み出しているのだ。
 「健康であることに感謝しながら、自分の生き方が多少でも社会のお役に立つのであれば、これほど嬉しいことはないですね」と語る浪江さん、子供のいじめ問題にも憂い、町内のゴミ清掃のあり方にも関心をもつ。


   ★・・プロダクティヴ・エイジングって何・・・★

         
  “老い”を病弱、介護、依存といった社会的コストとしてとらえるのではなく、“老い”こそ自立生活能力が高く、有償無償の社会的生産性を内包している、という考え方。米国の老年学研究者ロバート・バトラーが提唱。  
  この考え方に基づき、高齢者の健康と生きがいを研究している札幌のあるグループのレポートがおもしろい。
  自治体財政の逼迫した過疎地に住む高齢者は、医療・福祉のサービス劣化、文化娯楽施設の皆無の中で、冬場の燃料として海に流木を求め、春秋には野山を駆け登り山菜を採る。自然の暮らしで心身は鍛えられる。小さな田畑を掘り起こし野菜の収穫にも精を出す。得たものは自分だけのものとせず近隣の高齢者にも配る。総じて乏しい収入環境であるが故にお互いに助け合い、分かち合うのが生活の基本なのだ。
  過疎地に住む高齢者こそ健康で自立生活能力に長け、社会的生産性にも富み、札幌などの都会地に住む高齢者よりも身体的精神的資質は数段上回っているのではないかという報告しているのだ。



       ★・・・厚別区も人口減に突入か・・・★
        厚別北、同西、同東の条丁目ごと人口動向 
  

  昨年10月1日現在の厚別区の人口は前年同期比で117名減少、新聞「あのね」が集計を行なってからは初めて区人口が減少となった。同北、西、東地区でも減少地区が増えている。

  とうとう厚別区の総人口がマイナスになったことが特筆されよう。減少が一時的なものかどうか定かではないが、当新聞が集計し始めた平成3年からは初めてのこと。
 世帯数が969軒増えているのに人口が117名の減というとちょっと奇異な現象だが、若者、高齢者の単身転入者が急増する一方で、家族構成の減少もドンドン進んでいるものと見られる。
 また年齢別構成比を見ると、0〜14才までの年少者は17,042名、構成比13.1%。 15〜64才までの生産年齢は89,741名、同69.0%。 65才以上の高齢者は23,269名で17.9%占めている。平均年齢は42.9才で昨年より0.6才老いたことになる。
 当新聞が配布されている北、西、東地区は相対としては世帯数も人口も増えており、区全体の3地区が占める割合もわずかながら高まっている。
 しかし、雇用促進住宅を抱える厚別西4-1のようにここ数年百人単位で人口が減少している地区もある。 
 西地区全体でも131名の人口が減少している。 また宅地開発が進められている厚別北5−4や厚別東5-7などに百人超える人口増が見られるが全体として増加地区よりも減少地区のほうが上回っている。

           

           

           

       
     ★・・・ 『小学校の思い出』 I  ・・・★
           札幌森林公園駅前郵便局
               局長 川 筋 英 次


 私の母校は奈井江町立南小・中学校です。小中9年間一貫教育校なのです。というと格好良いですが、要するに小さな農村集落にあった板張りの一つの校舎の中に小学校と中学校が併合されていたのです。
 だから小学校の入学式や卒業式もそして中学校のそれらもみな同じ体育館の中でした。木造の古いおんぼろ校舎でしたが、自分で作った縄のたわしで黒ずんだ床を何度も何度もこすってピカピカに磨いたものでした。
 みんなでみんなで校舎を大事に大切に使った覚えがありますが今は廃校になりました。
  我が家は米と搾乳の農家でしたので、10頭の牛の寝ワラの交換と搾乳それに夜の餌やり、この三つが私の小学校時の仕事でした。
 4年生から6年生までの担任が白浜亮二という先生で「お前のとこの牛乳が美味しいから学校に来る途中に届けろ」と言われ3年間喜んで配達しました。
 昔は先生は絶対的で厳しく怖い存在でした。だから陰湿ないじめというのは全くありませんでした。


  

 
   ★・・サン自治会の運営に支障も・・・★
      雇用促進住宅桜台宿舎 空き室35%に拡大 


     
  
  厚別通りに面し厚別西4条1丁目にある4棟の高層住宅・雇用促進住宅桜台宿舎の入居者がドンドン減少している。
 勤労者が利用できる公共の賃貸住宅として昭和60年4月に入居が開始。運営当初は主に炭鉱離職者の札幌転入者を受け入れ、常時満杯の入居状況で総戸数312戸1,100人強の入居者で賑わっていた。
 しかしここ数年の間に2度による賃貸改定で1ヶ月管理費込みで5万円半ばま値上げ、さらに二年経過すると一万円アップとあって、入居若年層に持ち家志向が高まり退去する世帯が増え始めた。
 その結果、昨年10月には全体の35%強の110戸に空きが発生し入居者も600人程度に減少している。
 この桜台宿舎の住人で作る町内会でもあるサン・コーポラス桜台自治会(菊池喜興会長)では「世帯の大幅減少で自治会の運営に様々な支障がきたし始めている」として、町内会の存在さえ危ぶまれている。

  


    ★・・・“新年会くらいゆっくりしたいね”・・・★
       次々登場するお偉い方の挨拶に辟易

       

     「同じ町内に住むもの同士、新年の顔合わせを喜び、
                 互いの健康を祝福しあう場なのだから、
              もっとゆっくりのんびりしたいね」の声が、
                      とある町内会主催の新年会の場で聞こえてきた。



  次から次とお偉いお方が壇上にあがって繰り返えされるお願い挨拶に辟易しての感想。
 「次の会場が待ってますので失礼します」とあたふたと会場を辞すそのふるまいに
 「ホント失礼だよねぇ」と首をかしげる。


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